電気部品コレクション2019では新旧の様々な電気部品を一堂に集めて展示しているのが特徴となっています。現在ではほとんど見ることが少なくなったトランジスタや抵抗など基本的な素子も展示されているため、電子回路に興味のある人にとってはその基礎を学ぶとともに歴史を確認することができる非常に貴重なものとなっているのが特徴です。
近年の電気部品の進歩は非常に著しいものがあります。古くは様々な動作を行わせるためには基本的な抵抗やコンデンサーなどの素子を回路技術の法則に従って配列することで電気信号を変換することが主流となっており、そのために高い技術を必要とすることも少なくありませんでした。またこれらの素子は昔は非常に大きなものであったことから、1つの電子回路を構成するために多くの部品を必要とすることも多く、そのために回路全体の大きさが非常に大きくなってしまっていたため、自由には利用できないと言うデメリットも生まれていたのです。
近年その効果を非常に目に見える形で確認できるのが携帯電話です。従来は携帯電話は非常に大きなものとなっており、バッテリーを含めると端からベルトで吊り下げなければならないほどの大きさとなっていました。しかもその機能は単に電話をするだけの機能であったため、非常に使いにくいものとなっていたのです。その後約30年の間に携帯電話を経て現在ではスマートフォンが主流となり、電話の機能のほかにインターネットを利用する機能やその他の機能までも全て1つの中に収められながら、手のひらに載る非常に小さなサイズにまで進化をした事は電子回路の進化を見る上では非常に劇的なものとなっています。
ただし基本的な技術が変化したものではなく、その小ささを実現した背景には電子部品の集積化が大きなポイントとなっている事はあまり知られていません。基本的な電気回路の構造は、従来の大型の携帯電話の中に含められた回路の要素からあまり変わってはおらず、この回路や含まれている素子を集積化し効率よく利用することができるようになったために小型化が実現することとなったのです。電気部品コレクション2019ではこれらの歴史を振り返るための様々な電気部品の変化の歴史や、最新の集積回路を実現した素子まで幅広く展示されているのがポイントとなっており、これらを比較することで電気部品の進化と電子回路の進化を見ることができるものとなっています。