LCDとは「liquid crystal display」の略称で、液晶ディスプレイのことです。「ディスプレイ」がコンピュータに接続して画面を映し出す機器である一方、「液晶ディスプレイ」は、画面が液晶になっているディプレイです。大変薄い構造になっているので、通常のディスプレイのように上に物を乗せたりすることができません。パソコンにおいては、現時点で液晶のディスプレイがほとんどで、LCDメリットは、薄くて軽く、省エネで寿命が長いことが挙げられます。LCDは、パソコンが分かりやすい代表的なものになりますが、他にはテレビや電卓の表示パネル、電子手帳などもあります。
液晶は、1888年にオーストラリアの植物学者によって発見されました。そして、1963年に固体と液体の中にある物質の状態を指しており、この液晶に電気的な刺激を与えると、光の通し方が変わることが分かりました。数年後にこの性質を応用した表示装置を作成したことが液晶ディスプレイの始まりです。本来、液晶はディプレイの材料としては不安定で商用として問題がありましたが、1973年に日本の大手企業によって電卓の表示として、世界で初めて応用されたことが大変有名な話です。さらに、1976年には外国人の教授が安定なビフェニール系の安定な液晶材料を発見して、これが現在のLCD材料の基礎となっています。
LCDの技術は、ここ数年の間に大きな進歩を遂げており、次々と新しい製品を生み出しています。開発された当初は、電卓のように「8の字」型に並べて数字を表示するセグメント方式で、モノクロでの表示だけでした。そして、表示単位を縦横の行列に並べて、文字を構成するドットマトリックス方式により文字やグラフィックが表示できるようになり、ワープロやガラパゴス携帯などが登場しました。その後フルカラーへと進化したパソコンやスマートフォン、TFT3インチの液晶テレビが発売され、静止画中心から動画、小画面から大画面へと色や大きさ、システムが大きく変化してきています。アナログからデジタルへと移り続ける中で、高画質で高音質などのものを利用できるようにあり、我々の生活は更に快適になっています。電卓やデジタル時計の表示部から始まったLCDは、テレビやパソコン、電子辞書、携帯電話へと活躍の場を広げており、パソコンなどのオフィス機器はもちろんのこと、通信機や自動車航空機などの我々の身近な生活にどんどん入り込んでおり、今後も需要の拡大が見込まれます。