“エレクトロニクスの世界では様々な素子を組み合わせて希望の動作を実現するための設計が行われます。近年では集積回路を利用して様々な動きをプログラミングすることも一般的となっていますが、その基本となっているのがトランジスタや抵抗、そしてコンデンサのような基本的な動作を行うものとなっています。
コンデンサはその中でも、電気を蓄えることができると言う非常に重要な性質を持っているのが特徴です。回路の中に組み込むことで、一時的に電気を蓄え、遅れて放出する性質を持っており、これを利用することで様々な効果をもたらすことができるのです。
一般的には遅延回路と呼ばれる、動作を遅らせることができる機能を利用して様々な動きを実現します。電流の放出が設計の仕方によって自由に制御することができるため、その動きを一定時間ずらすことが可能で、これにより様々なタイミングを合わせると言う高度な機能を簡単に実現することができます。音響機器等では、音を遅れて出すなどといった機能を持っている装置もありますが、これはコンデンサを組み合わせてその機能を実現していることが多いのです。
さらに電気を蓄えることができる機能を利用し、一定の成分を取り除くフィルタ回路を実現することができます。フィルタ回路は必要な周波数の成分のみを取り出したり、ノイズの原因となる不正な成分を除去するために広く利用されていますが、この仕組みもコンデンサを組み合わせることで比較的簡単に実現することができるのが特徴です。
最近では、太陽光発電が一般家庭にも普及しており、自ら発電した電力を利用して様々な用途に利用しようと言う仕組みが整っていますが、基本的に電気を貯めることができないため、その使い方にも制限が加えられていることが少なくありません。発電量を計算しこれに相当する電力を電力会社に買い取ってもらう仕組みも存在していますが、近年では自ら発電した電気を蓄え、必要な時にこれを利用する蓄電池を備えるところも増えているのです。この蓄電池の構造の元となるのがコンデンサであり、必要な時にその電力を放出することで、自由に使える仕組みを実現しています。エレクトロニクスの分野では非常に基本的なものとなっていますが、現在でも様々な分野で広く用いられており、必要とする機能の実現から単純に電力を蓄える昨日まで幅広い用途に利用されるものとなっているのが特徴です。このコンデンサを利用することで、エレクトロニクスの分野では様々な機能を実現しているのです。”