照明器具でおなじみのLEDは、光エレクトロニクスに分類される技術でライト・エミッティング・ダイオード、日本語で発光ダイオードといいます。
LEDを生み出したのはアメリカの研究者で、1962年に赤色が商品化されたのが始まりです。
従来の蛍光灯と比べてサイズが非常に小さく、しかも耐衝撃性や寿命に優れているのが特徴です。
構造が単純なので大量生産は容易ですし、単価を低く抑えられる点も優れています。
赤色に続く色の開発に10年の月日が掛かりましたが、1972年に緑色のLEDが誕生しました。
正確には黄緑色で、光エレクトロニクスの分野に詳しくない初心者でも、誰もが赤色や黄緑色を目にしています。
ところが、青色は実用化するのがとても難しく、1990年代に入るまで赤色と黄緑色に留まっていました。
1980年代までは、電源のON・OFFを表す用途や、小規模な照明の用途に限られていた形です。
用途が大幅に広がって爆発的にLEDの価値が高まったのは、日本人を含む開発者達が、悲願の青色LEDの開発に成功してからです。
青色LEDが実用化されたことで、ようやく3原色が使えるようになり、照明器具や液晶の明るさを調節するバックライト、電光掲示板などの用途の応用が可能になりました。
省エネで故障しにくい性質ですから、大量にLEDを使用する用途であっても、採用されやすい技術だといえるでしょう。
その為、今では身の回りで見ない方が珍しく、初心者も知らずしらずの内に使っていたりお世話になっているはずです。
3原色の表現が可能になったのはまさに革命的で、後に白色LEDも実用化されています。
この白色が誕生したお陰で、エネルギー効率の低い従来の蛍光灯や白熱灯に置き換わる形で、LED照明が普及したわけです。
発熱が少なく省エネですから、電気代の削減や地球温暖化対策に繋がる結果となりました。
LEDはpn接合半導体に電流を流すことで、p型半導体から正電荷を持つ正孔が、負の電荷を持つn型半導体とお互いに向けて進み打ち消し合う仕組みです。
そして余剰エネルギーが光になって発光へと至ります。
発光原理から有機エレクトロルミネッセンス、いわゆる有機ELもLEDに分類されます。
英語の略称でOLEDが用いられることからも、改めて技術的に近い仕組みだと分かります。
実際の性質はそれぞれ異なりますが、しかし同じ光エレクトロニクス分野で、人々の生活に貢献している技術なのは間違いないです。