災害などの非常時はもちろん、普段の何気ない日常にあっても社会ネタや芸能情報に接するのは依然としてテレビが中心ではないでしょうか。この10数年ほどの間にテレビを巡る環境は激変し、アナログ放送からデジタル放送へと基本システムは改変し、テレビと人間とのあり方も大きく変容するようになりました。視聴者はテレビから情報を受け取るだけでなく、アンケート回答やショッピングなどのツールとしてテレビの機能は広がりをみせ、新たな可能性やマーケティングの場を提供しています。しかしこれほど身近なテレビですが、いかなる仕組みでテレビのスクリーンに映像が映し出されるのか御存じないのが大半ではないでしょうか。そこで今回はテレビのスクリーンに画像が映し出される仕組みについて解説してみようと思います。
そもそも画面に映像が映し出されえるのはいかなるメカニズムによるのかが問題になります。映像は光の3元色である青・赤・黄色が1組に並んでいます。この3色の組み合わせで画面上の色はすべて作り出されているわけです。ディスプレイ上では左上から、これらの3色1組を左上から右下に向かって順番に点滅させています。この点のドットを集めた攻勢された業を走査線とよびます。この走査線を1/60秒で1行おきに画面上から下に向かって走らせます。しかしこの状態では1.3.5.というように奇数行だけが表示されるので1枚の画像として成立しません。そこで次の1/60秒で2.4.6.8という具合に偶数行も走査線を走らせます。このように走査線を奇数行と偶数行を走らせることで、1枚の画像に表示するわけです。
日本ではこのように1秒間に30枚の画像を送ることで、映像を表示している仕組みを採用しています。放送局では映像を走査線として描くことが出来るように、分解して電気信号に変換しているのです。かつてのアナログ放送では、この電気信号を伝播の強弱に変えて送信していました。これに対し現在の形式であるデジタル放送では、走査線として描く電気信号を数字に分解して送信しています。デジタル放送において情報を数字に置き換えることで、同じ数字は同じ情報と認識されることになり、映像を効率的に送信することが可能になりました。
—>LCDについて
このように電気信号を数に置き換えて送信する技術が、エレクトロニクスとよばれるもので現在の情報通信技術はエレクトロニクスなくして語ることは出来ないとされているほどです。