ラジオを聴く時には、AMとFMを選びますが、この仕組みの違いを正確に知っているリスナーは少ないはずです。そこで放送がエレクトロニクス観点でどうやって、リスナーに聴けるようになっているのかの届くまでの仕組みやどうやって配信されるのかの解説や、AMとFMの違いについて分かりやすく紹介します。
ラジオ放送は、各局にあるスタジオのマイクで音声を拾って、その音声を電気信号に変換します。そして電気信号に変換された音声が、期間局である放送タワーに送信されます。放送タワーに送信された電気信号は、電波に乗せて各ラジオ機器に直接届けられたり、無線回線で中継局の放送タワーにも同時に送信されます。そして中継局の放送タワーに無線回線で届いた情報も、各機器に電気信号として届けられます。局と放送タワーの2カ所から電気信号が各機器に同時に送信される事で、電気信号が届きにくい場所にも届きやすくしています。このように基幹局から送信された電気信号と中継局である放送タワーの2カ所から、幅広い地域のリスナーに届くまでの一連の流れがラジオのしくみです。
ラジオの周波数は、主要なものはAMとFMで、それに加えて短波放送とコミュニティ放送などがあります。AM放送は、日本で初めて放送された周波数で、中波放送とも呼ばれています。AMのメリットは、電波が到達する範囲が広い事で、日本だけでなく海外にも届くほど広い事です。さらに非常に届きやすいため、電源無しで使える鉱石を使った機器でも聞こえるため、災害で停電した時にも使えるメリットがあります。電波の到達範囲が広い事はデメリットにもなり、海外からの電波も日本に届いて混信してしまい聴き取り難くなる事も起きます。
FM放送はAMよりも歴史が浅く、戦後に始まった放送です。FMはステレオ放送が始まり、雑音が少ない音域の広い超短波放送をリスナーに届けられるようになりました。FMのメリットは、AMと違って混信による雑音が入り難くなった事と、高音質の放送が流せるようになった事です。だけどデメリットとして電波の到達範囲が狭まり、受信できる地域が狭まった点です。
FMの受診地域の狭さを補った物が、短波放送です。短波放送のメリットは非常に広範囲まで電波が届く事で、世界中のリスナーに放送を届ける事が出来ます。短波放送にも欠点があって、それを受信するための専用の器機を購入する必要がある事です。コミュニティ放送は、FM放送の周波数を利用した地域限定の放送です。狭い地域限定のため、住民参加型の番組やその地域の限定の情報が中心です。