高等学校の物理学を学習した経験がある方であれば、電磁気学がどのような学問かご存知かもしれません。ここでは、物理を学んだ経験がないビギナーの方でも理解できるように簡単に解説します。
電磁気学をわかりやすく一言で表現すると、電気についての学問です。電気は金属などの導電体と呼ばれる物質に流れるという性質があり、エネルギーや信号を離れた場所に伝えるための方法のひとつです。電気エネルギーは金属線などの導体の中を通過しますが、電波の形(電磁波)で送信すれば空間中を伝わることも可能です。
人類が初めて電気を発見したのは17世紀で、研究が進むにつれて化学電池を用いたり磁石を使用して電気エネルギーを発生させることができるようになりました。電気は磁気と密接にかかわっていて、磁石とコイルを利用して生み出すことができます。このため、物理学の中で電気や磁気を扱うための分野(学問)が「電磁気学」と呼ばれるようになりました。
電磁気学では多くの物理法則が扱われますが、一番シンプルでほとんどの人が小学校の理科で学習したのがオームの法則です。オームの法則は電流・電圧・抵抗の3つの関係を示すシンプルな数式ですが、電気エネルギーを使用するエレクトロニクス製品を設計する上で非常に重要な法則です。高校課程の物理学では抵抗や電源だけでなく、コイルやコンデンサーなどのエレクトロニクス製品に必須の電子部品の特性を学びます。大学の理系学部に進学して物理学クーロンの法則や電磁波を表わす数式などを学習し、より高度で専門的な内容を学習します。
ちなみに電気や磁気は目に見えないものなので、物理現象を理解するために回路図や数式が活用されます。電気や磁気に関係する物理法則を理解するためには高等学校や大学で学習する数学を使用するので、数学と密接に関係しています。このため、電気製品の回路を設計をする際は多くの数式が扱われています。多くの方にとって日常生活で電磁気学で学習した内容に触れることがないかもしれませんが、身近に存在する家電製品や電子機器を設計する上ではとても重要な学問といえるでしょう。
電気について興味をお持ちの方であれば、ネット通販サイトなどで販売されている電子工作キットを組み立ててみると良いでしょう。最初に回路図を見ても理解できないかもしれませんが、実際に簡単な電子回路を組み立てみることで電気を身近に感じることができるからです。