懐中電灯を使用したり様々なものを動かしたりする場合、乾電池を使用することがあります。乾電池の仕組みをご紹介する前に、電気の仕組みについて知らなくてはなりません。エレクトロニクスに初心者であったり電気についての知識がビギナーな場合、直流と交流があることや乾電池の種類にマンガンとアルカリなどがあることは知っていますが、実際には乾電池のことについては知らないことが多いです。
マンガン乾電池においては突起が出ているようなプラスとフラットになっているマイナスがあります。筒を見た場合、一つの物質のみが入っているように感じますが、実際にはマイナス極になる筒には亜鉛が入っています。中心に入っているのは炭素棒や酸化マンガンであり、この2つがプラス極として使用されます。内側に充填している電解質が反応をすることにより、マイナスからプラスへと電子を動かし、物を動かすことができます。ですが特徴として充電することはできません。これは炭素棒やプラス極、マイナス極はそれぞれセパレーターと呼ばれるものによって区分されており、絶縁体のチューブで覆われているため新ためて補充することができないためです。なお反応させる電解液には塩化亜鉛水溶液を使用しており液自体は中性になります。そのため液漏れをして人の皮膚についたとしても大きな被害となることはありません。
アルカリ乾電池についてご紹介します。アルカリ電池は近年主流となっている電池であり、マンガン乾電池よりも出力が高く長持ちするので、ラジコンカーやモーターを回転させる機器に適している特徴があります。アルカリ乾電池の場合、プラス極活物質に二酸化マンガンが、マイナス極には亜鉛、そして電解液は苛性アルカリが使用されています。マンガンと同じように充電することはできませんが、自然に放電することが大変少なく、長期にわたって保存することが可能です。なお、マンガンの場合液漏れを起こしたとしても中性の電解液であるので皮膚に大きな影響を与えませんが、アルカリ乾電池の場合は苛性アルカリであり、アルカリ濃度が大変高いので皮膚を傷つける可能性があります。また機器の中で液漏れが発生した場合は、その端子部分が腐食してしまうことも多いです。そのため長期間保存することはできますが、テレビのリモコンや掛け時計など長期間連続して使用するものに関しては、腐食するリスクを軽減するためにもマンガン電池の方が適しています。