パワーエレクトロニクスの重要性がますます高くなってきました。その背景にあるのは電力の需要が大きく伸びていることです。生活とビジネスの両面において、現代社会は電力抜きでは成立しません。ビジネスだけに限っても、輸送や制御をはじめとして、さまざまなジャンルに関わっています。そして、どの分野でも省エネの必要性が叫ばれるようになりました。それこそが注目されている理由であり、これからの在り方が顕著に変わろうとしています。パワーエレクトロニクスが持続可能な社会に不可欠であることは言うまでもありません。とはいえ、その詳細を把握している人はとても少ないです。専門技術まで理解する必要はありませんが、これからの時代における役割を知っておいて損はないでしょう。
パワーサプライという言葉の認知度も高まっていますが、これは電力を提供していくという意味です。これが適切に実施されなければ、冷蔵やテレビなどあらゆるものが使用不可になってしまいます。エアコンが止まることで生死に関わる現象も起こりますし、スマートフォンが使えなくなることで連絡の手段もなくなります。他にも多くの例を挙げられますが、現代社会そのもの一つの電子機器と解釈できるぐらいです。したがって、電力の供給はもはや酸素の生成と同じぐらい当たり前といえます。とはいえ、ひたすら電力を送れば良いという単純な話でもありません。なぜなら、資源や効率など多くのことを考慮したうえで、経済性までも視野に入れて実施する必要があるからです。そこで重要なのは供給を乱す因子をできるだけ排除することです。いつも安定的にクオリティを維持できないと、安心して取り組めなくなります。つまり、これからは品質維持に向けた改善が重要になってくるのです。これこそがパワーエレクトロニクスが解決すべき次世代のテーマとなっています。
このテーマを推進していくには、エネルギーの変換効率に着目しなければなりません。これまでは伝送が重視されていましたが、ロスをなるべく減らす方向に軸を移行させていく予定です。単純に高圧を送電線に流すだけでは、従来と比べて効率が上がることはないでしょう。低圧で送るなら電線を太くしなければならず、それに伴って鉄塔や支柱の強化も急務となります。それゆえ高圧で流すことは基本になりますが、だからといって電力の欠損を見過ごすのは誤りです。これからのパワーエレクトロニクスは、そのような基本に立ち返ることも求められます。